『いつまでMr.Childrenでいられるんだろう。』-Mr.Children「Dome Tour 2019 Against All GRAVITY」【レビュー】

 

2019年。最後の最後に本当にいい買い物をしたなと思いました。こんなに濃厚でテンションの高いミスチルを見れるなんて。

ミスチルはずっと変化。もしくは進化をしてきたバンドだと思いますが、それこそこの前にリリースされた「Tour 18-19 重力と呼吸」よりも変化…いやっ、進化した姿がそこにありました。ただ単に会場の規模が変わったからと言えなくもないですが。

その一個前のアリーナツアーDVDの感想は↓に、Mr.Childrenのライブの歴史も踏まえて、超長文になってしまっていますが書いています。お暇でしたらご一読ください。

『進化の姿を見せつけるモンスターバンドの姿がそこにあった』-Mr.Children「Tour 18-19 重力と呼吸」【レビュー】

↑で僕は『アリーナが小さく感じる』と書いていますが、まーこのドームツアーもドームの大きさを感じさせない、素晴らしいパフォーマンスでした。

さらに大きくなる田原さんの存在感。

もともと、言ってみればいぶし銀な存在で、地味ながらも陰でその魅力や力量を存分に発揮していた田原さんですが、小林武史さんが抜けた後、存在感や発言が増し、ライブでもプレイヤーに徹するわけではなく、お客さんを煽る姿すら見えるようになって来ています。

そもそも、このライブのOpning自体が田原さんのギターから始まります。このギターが本当にいい!

田原さんお得意のあの、何使ってるかよくわからないんですが、あの『ウィーーーーーン』って伸びるギターの音のやつ。ギターの音のやーつ。

これがめちゃめちゃ気持ち良くて、その音と共にだんだんと激しさを増すオープニングのサウンド。少しづつ、日常からライブの世界へ誘われていきます。

そしてその後に続く「Your Song」最高です。最高のやーつ。

でも本当に凄かったのは「Dance Dance Dance」です。

前のツアーでもそうですが、この曲は田原さんが前に出てお客さんを煽っています。でもその煽りがかなり大きくなっている。

だけではなく、花道の先にやってきた桜井さんと踊るんです!

踊るっつっても振り付けしてダンスするわけではないですけどね。説明しなくてもわかりますか。いらないやーつ。

とにかく素晴らしいんです。バンドっていいなあって思いました。

ライブで印象が変わる曲たち。

今回のドームツアーは前回のアリーナツアーと比べて、実はアルバム「重力と呼吸」の曲が少なくなっています。

個人的にはもう一度「here comes my love」が聴きたかったですが。

曲は↓の通りです。

01. OPENING
02. Your Song
03. Starting Over
04. himawari
05. 〈S.MC〉
06. everybody goes ~秩序のない現代にドロップキック~
07. 〈MC〉
08. HANABI
09. Sign
10. 〈MC〉
11. 名もなき詩
12. 〈MC〉
13. CANDY
14. 旅立ちの唄
15. 〈MC〉
16. ロードムービー
17. addiction
18. Dance Dance Dance
19. Monster
20. SUNRISE
21. Tomorrow never knows
22. Prelude
23. innocent world
24. 海にて、心は裸になりたがる
25. SINGLES
26. Worlds end
27. 〈MC〉
28. 皮膚呼吸
29. END ROLL

個人的には『この曲やるのか!』という曲が結構あったりしました。3曲目で「Starting Over」ですからね。イントロなった瞬間『ぬおっ!』ってなりますよ。

そして「旅立ちの唄」が本当にびっくりしました。『こんないい曲だっけ』ってなりました。「旅立ちの唄」好きな方すいません。

時を経てなのか。アレンジが少し違うからなのか。ライブマジックなのか。そのどれもか。どれも違うのか。

とにかく至極真っ当に心に浸み入るとてもいい曲だったんだと、印象が変わりました。

もう一つ、思いがけず良かったのが「SUNRISE」です。

この曲の前に、朝のシーンの映像と、それに合わせてまるでサントラのような、美しいピアノの旋律が流れます。そこからの「SUNRISE」です。

この曲はギターの心地いい歪みが柱となっている曲ですから、ピアノの旋律の後にやってくるギターとのギャップで、それがまた気持ち良く、感情が高まっていくのを感じました。

個人的にはこの曲は特典でついてくるCDの方が好きです。何が違うのかよくわかりませんが。

この曲が終わり、太陽が上がったところで間も無くやってくる「Tomorrow never knows」のイントロ。

人間の体はこの曲順で聴くと『今日も頑張ろう』と思える仕組みになっています。

アンコールが牙剥き出し。

実は今回のドームツアーでは、前回のアリーナツアーの時とは、Opening後の1曲目とアンコールの1曲目が入れ替わっています。

「SINGLES」と「Your Song」です。

「Your Song」めちゃめちゃいいですよね。こんなに力強くてシンプルで優しい曲は他にないと思います。大好きです。

今回のツアーDVDのジャケットやCMから全体に赤が多い、強い演出になるのかと思っていたのですが、実際は青や紫や様々な色の照明や演出があった印象です。

恐らくこの「Your Song」に引っ張られて、このツアーの演出やアレンジ、曲自体も、エンターテイメントとしてとても優しく、見やすい、POPなものになっていたのかと思います。

しかし「SINGLES」。この曲も本当にすごいですよね。こんな曲さらっと(さらっとなのか?)作っちゃうんですから。

激しく、切なく、情熱を内包した言ってみればロックバラードと言える曲ですが、まあ、かっこいいという印象も大きくある、ロックバンドだからこそ作り出せる曲だと思います。

この曲から始まるアンコールはその後「Worlds end」ですから。赤い照明ばっかりの牙剥き出しの演出になっています。

Mr.Childrenがロックバンドであることを再確認しました。かっこいい。とにかくかっこいい。

すごいですよね。一つのライブでこの二つの顔を見せてくれるんですから。こんなバンド本当に他にないと思います。

『重力と呼吸』とはなんなのか。

アルバムのタイトルにもなっている『重力と呼吸』。そしてツアータイトルもなっている「Against All GRAVITY」。

『重力=GRAVITY』とは、なんなのか。

恐らくそれは『逃れられないもの』なのではないかと思います。

それはこのツアーでは『時間』です。

いくら時間が経っても忘れられないような、永遠に心の中に残り続けるようなそんなライブにしたい』と、MCでも言っていました。

でも、その『時間』が付き纏うのはツアーに限りません。

いったいいつまでMr.Childrenでいられるんだろう』そう思いながらも、『1曲どころでなく、10曲、いやそれ以上、みんなを一つにできるような、そんな歌を作っていきたい的なことを、25周年を超えたバンドが、MCで言っていました。

『逃れられないもの』それは老化や自然現象だけでなく、心に生じてしまう諦めの感情や、不条理なども含まれるかと思います。

そういった『逃れられないもの』に仕方がないと諦めるのではなく、挑戦していく力を、そのMr.Childrenの挑戦していく姿から、得ることができます。

「皮膚呼吸」で歌う挑戦することの喜び。

もう歳を経て、『重力』が重くのしかかってくる年齢になっても、それでも挑戦することを、変化することをやめない。

「皮膚呼吸」という曲をどちらのツアーでも最後に持ってきているその姿は、どこか自分に言い聞かせている、自分を奮い立たせているようにも見えました。

出力が小さな ただただ古いだけのギターの
その音こそ 歪むことない僕の淡く 蒼い 願い
サスティンは不十分で今にも消えそうであっても
僕にしか出せない特別な音がある
きっと きっと

挑戦すること、変化することはとても怖いことです。だいたいもうどんだけ成功してんだよってバンドですから。別に家でTV見ながら寝ててもいいわけです。

でもそうしない。

苦しみに息が詰まった時も
また姿変えながら
そう今日も
自分を試す時

振り返ってみれば

20. SUNRISE
21. Tomorrow never knows
22. Prelude

は、何かを始めることを応援する曲で占められています。

挑戦することが生きることだとも感じますが、それは人それぞれですから、これ以上は語りません。

とにかく音楽だけでなく、Mr.Childrenというバンドの変わり続ける、挑戦し続けるその姿に、心は奮い立ちます。それだけでワクワクします。

やっぱりかっこいいな。

隠しチャプター「JEND ROLL」

ここからは文脈上入りきらなかったことを2つ。

「himawari」がやはりいいと!やはりいいと言いたい!

「SINGLES」の激しさと「Your Song」の優しさを両方持っているようなこの曲!良すぎる!これが4曲目!凄すぎるぜもう!

一つ目以上!!

そしてもう一つは「JEND ROLL」です。

このツアーDVDの最後の「END ROLL」の部分は桜井さんの目線でライブ開始までを写しているのですが、Jenさんの顔をずっと写したバージョン、「JEND ROLL」もあります。

出し方は簡単です。

最初のメニュー画面で音楽が鳴り止むまで待ちます。だいたい1分か…もう少し長いですかね。トイレに行って帰ってくるくらいの間です。
音楽が鳴り終わった状態のままチャプターを押してチャプター画面に遷移します。
そしたら曲目の1番下に「JEND ROLL」と書いてあるのが出現します。

別に見ても見なくてもどっちでもいいかと思いますが、これはこれで面白いです。

この人音楽やっていなかったらどうなってたんだろうと、少し思いました。

二つ目以上!!

 

いかがでしたでしょうか。

MCでも言っていましたが、Mr.Childrenはこのツアーの後、ロンドンにレコーディングに行くそうです。この先、ロンドンレコーディングで花開いた曲たちがきっと僕たちのもとに届けられるはずです。

『映画ドラえもん のび太の新恐竜』の主題歌もロンドンレコーディングの成果だそうです。

弱い自分を越え、生まれ変わっていくことを後押しする曲に聴こえます。最初のアコギの弾き語りの静かで力強い部分と、のちにやってくるバンドサウンドとストリングスの緩急が素晴らしい楽曲という印象ですね。早く全部ちゃんと聴きたい。

 

しかしもっと凄いのまだまだ有りということでした。

いつ頃になるのかはわかりませんが、楽しみに、こちら側の日常でも、何かに挑戦するような、ワクワクするような日々を過ごしていけたらなあと、思ったり思わなかったりしています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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