あいみょん「瞬間的シックスセンス」は『あいみょんのことがもっと好きになるアルバム』だった。【アルバムレビュー】

2018年は米津玄師とあいみょんの年だったと言って否定する人はあんまりいないと思います。

僕もみなさんと同じようにこの2人のアーティストにどっとハマって行った人間の1人です。

僕があいみょんに大きくハマり始めたきっかけは、今回のアルバムの1曲目に収録されている満月の夜なら」からでした。

もちろんあいみょんのことは以前から知っていて、注目していて、と言うかハマっていて、そのきっかけは前回のアルバムの収録曲「二人の世界」です。

この曲を寝ながらラジオで聴いていて、冒頭の日常をさらけ出した歌詞にすごいなあと面白さを感じつつ、サビ前の「いつになったら私のことを嫌いになってくれるかな」という歌詞を聞いた瞬間『えっ、どういうこと!?』と、飛び起き、女子の心の複雑さにそのまま触れてしまったような背徳感と恥ずかしさ。そして、その表現力に圧倒されました。

そこからあいみょんの曲を好んで聴くようになり、2017年は吉澤嘉代子さんやOfficial髭男dismと並んで頭の中の注目の新人リストの中に入っていました。

しかし2018年の春「満月の夜なら」を聴いて『おっ、こんなリズムの曲も作れるんだ』と今までよりも深く、大きくハマっていきました。

まずはアルバムレビューの前に、僕が感じているあいみょんの魅力を書いていきたいと思います。

んなもん興味ないわ!!たわけ!!気持ち悪い!!という方はもちろん飛ばしていただいて結構です。


詩もスゴいが、メロディセンスもヤバし!楽曲もオモシロし!

詩がすごいアーティストは音楽業界に少なからずいます。でも詩もすごくてメロディもすごいアーティストはあんまりいないと思っていますし、そういうアーティストは間違いなく売れると思っています。まぁ当たり前といえば当たり前なんですけど。

メロディは聴く人の入口になり、深くハマるために詩があるとも考えています。

だからメロディだけ良くても詩が良くないと一定数の人の心は捉えるんですが、その先に行かない。どこか薄っぺらいアーティストという印象を与えますし、詩がいいだけでも、音楽をしっかりと聴く人には場合によって刺さりますが、どこか独りよがりで、アーティスト然としたアーティストという印象を与えてしまうと思います。楽曲アレンジも多分に関わりますが。

あいみょんのこの社会への浸透ぶりを見てると。そして楽曲を聴いていると、やっぱり生まれ持ったポップセンスのようなものを大きく持っているなと感じます。

それは言い換えればサービス精神や共感力。自分と音楽業界の立ち位置についての多角的視点。そしてどれだけ音楽が好きかが総合して生まれているものだと思いますが。

そしてあいみょんは人が好きなんだろうなと楽曲を聴いていて本当に思いました。それは集団が好きというわけでは決してなく。自分をちゃんと持っているからこそ生まれてくるものというか…あれ?楽曲の話どこ行った?

あのー…だから楽曲を聴いているとあいみょんが顔を出すんです。あいみょんってきっとこんな人なんだろうなとか。それは上っ面な言葉を並べて満足するようなアティストではない、才能と誇りを持った素晴らしいアーティストだからこそできることだと思います。

それはライブでも感じることです。

ライブで出てくるバンド感。

正直に言えばあいみょんのライブは生で観たことがなく、基本は画面越しに観た印象でしかないのですし、あいみょん自身は弾き語りが1番好きらしいので、僕の印象は正しくない部分が多分にあるかと思います。

ですが僕自身、結構女性シンガーソングライターには好きな曲が多く、YUIちゃんや片平里菜ちゃん。最近だとiriちゃんとかも好きで。楽曲提供されたりしている人も含めれば家入レオちゃんや山本彩さんの「メロディ」も好きなんですが。…この曲に関してはスガシカオ好きってだけかもしれません。

そういった方々のライブは僕の知る限りではどこかそのアーティストとサポートメンバー感が強く、演奏と歌が別物の感じをどうしても受けてしまうのですが、あいみょんはメンバー全員と客を盛り上げようとしているのをすごい感じるんです。
それを拙い言葉でバンド感と表現したのですが、サポートメンバーがあいみょんのことを本当に好きで、尊敬していて演奏していると、どうしても感じてしまう。それはあいみょんの人間力。もしくはカリスマ性という言葉で表せれるのかもしれません。

じゃあそのカリスマ性って何?

カリスマ性を構成する要素は人によって違うと思います。ですが、あいみょんの場合は自分をさらけ出している感が要素の一つに入っていると思っています。

自分をさらけ出すことってなかなかできないですよね。でもステージ上で汗だくになりながら自分をさらけ出して歌っている姿。それを観て何にも感じない人はいないと思います。

そしてそのさらけ出している感が、今回のアルバムにも存分に含まれています。

レビュー

前のアルバム「青春のエキサイトメント」は、さらけ出しているというよりは、むき出しで、場合によっては社会を挑発しているとでも言えるような部分を多く感じました。でもそれはアルバムタイトルの通り、「青春を刺激するもの」として、十分真空パックできていて素晴らしいものでもあります。

今回のアルバムはそれが少し和らぎ、TシャツにGパンで隣に座りに来てくれた感じです。

前のアルバムが「話聞いてよ!」だったのに対して、今回のアルバムは「話聞くよ」って。

だから、こっちが持っていた悩みや近況を打ち明けると、「なるほどねー、私も昔こんなことがあってね」もしくは「実は知り合いにこんな人がいてね」って1曲1曲丁寧に歌ってくれるような。アルバムを通して言ってくれているような。

それは楽曲の幅や大人としての成長も関係あるかもしれませんし、ヒットによる環境の変化もあるかもしれません。

しかし表現者としてのあいみょんの力という面で見るのであれば、自分の今というものを閉じ込められる数少ないアーティストの1人であり、これからどんな楽曲を届けてくれるのか、とても楽しみで仕方ありません。

とにもかくにも僕はこのアルバムからあいみょんという人の人間性を何よりも感じ、そしてより一層好きになりました。

 

なんか気持ち悪い締めになしましたね。

このアルバムを買った帰り道、家まで待ちきれずにカーステレオで聴いていると「マリーゴールド」が流れた瞬間、窓から青空が見えました。夜でしたけど。

素晴らしいアルバムです。

読んでいただきありがとうございました。

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