「ゲット・アウト」レビュー【ネタバレなし】-『企画物はエンディングが大事』

アカデミー賞で話題になった作品。そう言えば最近観てなかったなーと思い、また観始めました。

「シェイプ・オブ・ウォーター」をひとまず観たのですが、その感想につきましてはこちらをご覧ください。

で、今回観たのはアカデミー賞脚本賞受賞作品「ゲット・アウト」。

個人的には作品賞よりも脚本賞の方が、面白さでは信用がおけると思っているのですが。

どうだったんでしょうか。俺。

あらすじ

主人公は黒人の男性です。週末に恋人の白人女性の実家に招かれます。しかしその家は黒人の使用人を抱えており、翌日のパーティーでも出席者は白人ばかり。違和感を覚えながらも家族の歓待に応じますが…。

全体に漂う違和感を作るのは秀逸

最初の方からどこか違和感を感じさせる演出はさすがアカデミー賞取るだけのことはあると思いました。

何がどうなって違和感を作り得るのかは正直未熟な僕にはまだわかりませんでしたが、しかしどことなく漂う「なんだこれ」感。

多分観てる側と作品世界の人々のズレがうまい具合であり、細かいことに注意を払わせる演出とそれを解決してくれない演出がうまく行っているのかなーと思いました。

ただ、めちゃめちゃ面白いかと言ったらそうでもない。

「多分これってこういうことだろーなー」「あっ、やっぱりそーだった」「ふーん」「あっ、終わった」

というように、最初の方から引っぱている違和感。謎が、僕の場合わかってしまったので、どんでん返しもクソもない。答え合わせをただしているという感じでした。

僕自身「企画物」と言えるものをそんなに好んで観ない。

スリラーとかホラーとか。あとゾンビものとか。好きな人とかはそのシーンの裏にある部分の、メタファーだったりとかそう言ったものも含めて楽しむじゃないですか。僕自身はそう言った楽しみ方をしないので、この映画のそういった部分は全くわからないのですが。

ただそういうものも含めて、企画物は、その「仕掛け」というかどんでん返しのための「トリック」のようなものがバレても楽しめるものでなくてはいけないと思うんですね。人間を描けているかどうかもその一つだとは思うのですが、それがなかったので、なんとも印象に残らない作品になってしまった気がします。

例えばどんでん返し的な話で言うと「シャッター・アイランド」なんか当時少し話題になりました。

ただこの映画も開始早々仕掛けがわかってしまったので、あとは答え合わせのように話が進んでいってしまった感覚です。

ただ、この映画の素晴らしいのはラストのシーン。一瞬「えっ!?」ってなりました。

あれは一体どういうことだったのか。

さすがスコセッシ。一筋縄で話行かせてくれません。

そしてもう一つが「鑑定士と顔のない依頼人」。

これはなかなかスゴかったです。

映画の中のトリックだけでなく最後のシーンもまた…切ない!くはーっ!

結局人間を描いているかどうか。

決して面白くないわけではないのですが、「アカデミー賞」を獲ったから!と意気込んで観てしまったので、その期待値との落差が大きく感じてしまった部分があると思います。そもそもこういうジャンルは僕自身あまり観ないので、そこも低評価になってしまった理由の一つだと思います。

点数で言うと5点中3.5点くらい。なので決して面白くないわけではないです。

ただ僕の好きなものが大体「人間を描いているもの」だったりするので、そういう趣味とは合いませんでした。

加えて言うのであれば結末部分に問題解決以外の何かを描ければ、また違ったなとも思います。そのためには人間をしっかり掘り下げて…ほら!また出た!人間!

 

しかし「シェイプ・オブ・ウォーター」といいこの「ゲット・アウト」といい、スリラーがアカデミー賞とる訳ですから。懐の深さというか。やっぱりアカデミー賞ってすごいですね。

読んでいただきありがとうございました。

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