星野源「POP VIRUS」は『独りの夜に寄り添う孤独』だった。【アルバムレビュー】

いやぁ。書こう書こうと思っていたらいつの間にか年が明けてしまいました。

なんでこんなにレビューが書けなかったのか。

なかなか難しかったんです。アルバムを理解して言葉にすることが。

アルバムとしてはメチャメチャいいんです。

ただ、前回と違って「何か」がアルバムの奥にあるなと思ってそれを探ろう探ろうと思っていたら年を越してしまいました。

ではその「何か」とはなんなのか。

感情」です。

ではどんな「感情」なのか

孤独」や「寂しい」「悲しい」「狂おしい」などの言ってみれば陰の部分。

そして、アルバムの奥にいたのは独り、夜と向き合う

源さん

でした。 


アルバム「POP VIRUS」って?

星野源通算5枚目のアルバム。社会現象を巻き起こした大ヒット曲「恋」や、朝ドラの主題歌「アイデア」、CM曲に起用されながら未だ音源化されていなかった「Hello Song」を含む14曲入り。
因みに「ドラえもん」は収録されていません。

アルバムの表題曲であり、1曲目を飾るのがこちら↓です。

初回限定版にはスタジオライブとニセ明による長いコントが収録されており、これも非常に良い。買うなら初回盤がオススメです。

「POP VIRUS」による変化と深化

世の中には色々なミュージシャンがいますが、バンドも含めて僕は変化して行く人たちが好きです。

源くんもやはりその中の1人で、1st.2nd.の「弾き語り」期。3rd.の「夢の外へ」期。4th.の「Yellow Music」期と来て、5枚目であるこのアルバムもまだ「Yellow Music」期ではあると思うんですが、しかしその「Yellow Music」も変化しています。

特徴は2つあります。

  1. STUTSさんに代表される電子音楽の導入
    配信リリースされた「アイデア」を聴いた時に驚きました。
    おぉっ、そう来たか!
    この時はただサウンド的変化のみに注目し、
    NOWくなったなぁ〜。次はその方向でいくのかぁ〜。
    と思っていたのですが、どうやら変化だけでなく、深化もしていたようです。
  2. 歌詞がよりパーソナルに。歌が感情的に。
    全ての歌詞がそうではないのですが、言ってみれば陰の部分が多い歌詞が増えているよに感じます。
    そしてそれはバンドサウンド前面の曲よりもシンセなどを大きく用いた曲で。
    また、歌に感情を乗せている曲も多いです。それはその分メロディーと歌詞が感情を乗せる方向にシフトさせる曲だからかもしれません。
    特に大きいのは「Dead Leaf」です。そして個人的にはこの曲がこのアルバムで今の所1番好きです。

ミュージシャンには「閉じてる」時と「開いてる」時があります。

源くんの場合1st.と2nd.では閉じていたのですが、3rd.で夢の外へ飛び出し、4th.で君の声を聞かせてと変わって行ったのだと思いますが、このアルバムはやはり若干閉じてる時期に入ったのかなと感じています。

というよりは、初期の「弾き語り」期でやっていたことを「Yellow Music」でやろうとしているのかとも。

レビュー

今回のアルバムは前回のように「嬉しい!楽しい!大好き!」ではないです。

…あれ?なにこの語呂の良さ…大ヒット曲ができそう…!

……えーと、ただ、人生にはそれだけじゃない面も多々あります。

そんな時に、別世界に連れて行ってくれて、それが背中を押してくれることもあれば、そうじゃない、ただ寄り添ってくれることが必要な時もあります。

最近やっと読んだ又吉くんの「火花」の言葉を使っていうのなら、全員他人の夜」です。

「POP VIRUS」は、源くんが狙ったのか狙わずしてかわかりませんが、「Yellow Music」によりパーソナルな面を注入することによって、

「その孤独、独りじゃないねんで」

と、関西弁で寄り添ってくれる孤独を作り上げ、それをJ-POPに放り込んで来た、なかなかの傑作であり事件と言えると思います。

 

「このVIRUSが日本の音楽シーンにどう伝染していくのか。楽しみに見させてもらおうやないか」

と、隣で孤独が下手くそな関西弁で言っています。

読んでいただきありがとうございました。

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