余韻が消えない。ラストシーンが忘れられない映画6選【映画まとめ】

映画を観終わった時、余韻がずっと消えないことってありますよね。

その余韻を作り出すのは、物語全体であると同時に、ラストシーンも深く関わっていると思います。

今回はそんな余韻が消えない、忘れられないラストシーンの観られる映画を紹介します。

『I hope….』もはや古典の域。不朽の名作「ショーシャンクの空に」

 

もう解説するのがはばかられるくらいの不朽の名作です。古典として岩波文庫に入ってもいいくらい。

無実の罪でショーシャンク刑務所送りとなった主人公アンディ(ティム・ロビンス)。初めは馴染むことがなく、孤立していましたが、刑務所内の古株で調達屋のレッド(モーガン・フリーマン)と交流するようになると、次第に刑務所職員、受刑者仲間からも一目置かれる存在になっていきます。

ラストシーンに至るまで、この映画には宝物のようなシーンが本当にたくさんあります。

言葉ではうまく説明できませんが、心が暖かくなる、観ていて頬が緩むシーンばかりです。

また、いろいろなことを教えてくれます。技能、知識、教養、心の豊かさの大切さ。

恐らくそれらのシーンは、観ている人にその心の豊かさを気づかせてくれるからこそ、宝物のように心に残るのだと思います。

そしてラストシーン。この映画は希望を持つことの大切さを教えてくれます。

I hope I can make it across the border.
(国境を越せるといいが)
I hope to see my friend and shake his hand.
(親友と再会できるといいが)
I hope the Pacific is as blue as it has been in my dreams.
(太平洋が青く美しいといいが)
I hope.
(俺の希望だ)

観終わったとき、美しい太平洋の青が胸を包み、明日を、前向きに生きていく暖かい力に満ち溢れることと思います。

I hope that will happen.

そうなることを願っています。

『その笑顔は…。』西川美和監督作品「ゆれる」

 

西川美和監督を僕が知ったのは、多くの人と同じように、この「ゆれる」という作品でした。

観終わった後の感情や、この作品そのものについて、言葉で説明できるのであれば、物語や映画や、もっと言えば芸術やその他文化なんてものは必要ないと思うんです。

観終わった後に今まで味わったことのない感情に襲われてしまう。それが西川美和監督作品の特徴だと思います。

母の一周忌で帰省した、東京でカメラマンとして成功している主人公たける(オダギリジョー)は、兄のみのる(香川照之)と再会します。兄は実家の実家のガソリンスタンドを継ぎ、独身。そこで働く幼なじみのちえこ(真木よう子)に思いを寄せていました。そしてある日、母との思い出のある近くの渓谷に、3人で行くことになります。たけるが一人で散策し、写真を撮っている間に、みのると吊り橋の上にいたちえこが転落死してしまいます。事故か、殺人か。裁判が進んでいくに従って変わっていく兄の姿。兄弟の関係。

嫌なところ見てるなーというか。普通の生活の中で芽生える嫌な部分をよーく見ているなーと。そしてそれを素晴らしく作品に落とし込んでいるなーと思います。

例えば「ゆれる」のはじめ、母の一周忌のシーンで弟と父親が喧嘩して御膳が散らかってしまいます。そこで父親をなだめながら散らかった御膳を片付け、床を拭く兄のズボンの裾に、こぼれたお酒が滴り落ちて濡れていってしまう。それをなんとなく見つめる弟。

嫌なところ見てますよねー。そしてそれが二人の関係性を表してしまっている。

そして最後のシーンは本当に、映画好きの間でこの先もずっと、何度も何度も話題に上がるものと思います。言葉にすることは本当に難しいので、ぜひ見ていただければと思います。すいません。

ちなみに「ゆれる」も衝撃的でしたが、「永い言い訳」も本当に素晴らしい作品です。

ラストシーン関係なく、西川美和監督作品をオススメするとなったら、個人的には「永い言い訳」をオススメします。

↓に感想を書いていますので、お暇でしたらご覧ください。

『自分の生き方を省みてしまった』-西川美和監督の名作「永い言い訳」【映画レビュー(後半若干のネタバレあり)】

『住田!!頑張れぇ!!!』園子温監督作品「ヒミズ」

 

この映画が話題になるとき、一つ上がってくるのが原作との違いです。

ただ、この映画はそんな見方では見落としてしまう、測定できないものを持っていると思っています。ちなみに僕は原作を読んでいませんが…。

住田祐一(染谷将太)。中学3年生。15歳。彼の夢は「普通」の大人になることです。
『俺はな、たまたまクズのオスとメスの間に生まれただけだ!だが俺はクズじゃねえんだよ!おめえらみたいなクズじゃねえんだよ!見てろよ!俺の未来は誰にも変えられねえんだ。おめえらみたいなクズにはならねえ!俺はな、立派な大人になるんだ!』
しかし父親を殺してしまった彼は、もう「普通」の大人にはなれません。絶望の中にいる彼は、その後どうするのか、どうなるのか。

あらすじを書こうとしましたが、無理です。こんなチープな言葉達では言い表せれないものがこの映画にはあります。

園子温監督の作品を一つでも見たことがある人ならわかると思うのですが、演出が少し過剰というか過激というか、異質なものですので、少し胃もたれがするかもしれません。

しかし、そこも含めて、この映画全体から感じることは、作品が内包している思いというか、祈りにも近い願いです。

2012年1月14日公開。311後の日本で、どのような映画を世に送り出せばいいのか、送り出すべきなのか。その葛藤の答えが、ラストシーンの希望です。

こんな言い方したくありませんが、この映画はそこらに掃いて捨てられてしまうような、ファーストフード店で作られたかのような、アルバイトがマニュアル通りに作ってある一定のうまさを手に入れられるような、ドライブスルーで売っているような作品とは違います。

一度食べたら半年は食べなくてもいいような、人によって好き嫌いが別れ、それでいて食べてみると最初はこんな味だっけ?と疑問に思うのに、食べていくうちに病みつきになり、店を出た後の満足感はなかなか言葉にできないような。食べ物でないものを食べさせられたような。そんな作品です。

うん。最後何言ってるかわからなかったですね。

泣ける映画とか、号泣したとか、そんな言葉では言い表せられない、言い表したくない。感じたことのない温度の、色の涙が、ラストシーンで僕の頬を濡らしていきました。

『完璧なラスト(個人の意見です)。』クリストファー・ノーラン監督作品「インセプション」

 

少し重めな作品が続きましたので、もう少し軽めの作品を紹介します。といっても単純な作品ではありませんが。

他人の夢の中へ入り込み、アイデアを盗む企業スパイの主人公ドム・コブ(レオナルド・ディカプリオ)。失った人生を取り戻すため、彼はアイデアを盗むのとは逆の方法“インセプション”を利用して、潜在意識の中に作為的な意識を植え付ける任務を成功させようと試みます。

そもそもこの映画の素晴らしさは、その設定の面白さ、世界観の説得力、その中でのアクションシーンにあります。

ただ、それだけではなく物語は、主人公コブにまつわることで進んでいきます。なので、設定も難しく、壮大でありながら、パーソナルな葛藤と人間の深掘りで物語は進行します。

物語は基本、人間についてを描くことで成り立ちます。世界観の説明だけでは面白い物語は描けません。

そういった基礎的な部分ができていながら、クリストファー・ノーラン監督らしい、一筋縄ではいかない物語が展開します。

そしてラストシーン。そのシーンの持つ意味は置いておいて、もうこれ以外にはない終わり方をします。

僕はクリストファー・ノーラン監督が大好きなんです。だからこそ思うのかもしれませんが、これこそ、完璧なラストシーンだと思っています。

いやっ、とにかくこの作品は最初から終わり方まで、全て完璧な作品です。いやっ、もう、そんなことはさておいてとにかく面白い。

本当にオススメです。

『ラストシーンの予言』デヴィッド・フィンチャー監督作品「ファイト・クラブ」

 

個人的にこの映画は、自分史上最高の映画トップ3に入るくらい好きな作品です。

物質主義を否定し、文明を否定し、現代を否定する。そのテーマが根暗な根性にあったのかもしれません。しかしそれだけではない根源的なテーマをこの映画には感じます。

主人公の僕(エドワード・ノートン)は不眠症に悩まされる会社員です。ある日、僕は出張先から帰る飛行機の中で、たまたま隣の席に座った男、タイラー・ダーデン(ブラッド・ピット)と意気投合し、連絡先を交換します。そしてその日、まさかの僕のマンションの部屋が爆発。帰る場所がなくなった僕は、今日出会ったばかりの友人タイラー・ダーデンに連絡を取ります。近くのパブで一緒に酒を飲んでいると、僕は言います。
『あー、せっかく悩んだ末に取り揃えたイケアの家具も全部パーだ。もうソファ選びには一生悩まなくてもいいと思っていたのに。』
それを聞いてタイラーは言います。
『お前は物に支配されている。』
ここから二人の数奇な交流が始まり、物語は思いもよらない方向へと進んでいきます。

ラストシーン。まるで911を予言していたかのようなシーンで物語は幕を閉じます。

予言していたから素晴らしいと言うつもりはありませんし、そもそも予言していたと言えるのかも少し微妙かもしれません。

ただ、最後のシーンがとても印象的であり、なによりも僕がこの映画を好きすぎるがために、この映画を紹介したくて選ばせていただきました。

この映画の素晴らしさはやはりラストシーンだけではないのですが、そこも含め、いかに「ファイト・クラブ」という映画が素晴らしいかということは↓に書いておりますので、少し長文ですのでお暇な時にでも読んでいただければ幸いです。

「ファイト・クラブ」が歴史的傑作である6つの理由【映画レビュー(若干ネタバレあり)】

『日本映画史に残る、圧巻のグランドフィナーレ。』吉田大八監督作品「桐島、部活やめるってよ」

 

この映画、僕は10年に一度の傑作だと思っています。

その年の映画賞を総なめにして、それでいてスタッフ、キャストは新人ばかり。

話題になっていろんな人が見始めるけど賛否両論。好きな人はとんでもなくハマるけどそうでもない人は「ん?」ってなってケナし始める。

この映画が2010年代を代表する傑作だとすれば、2000年代は宮藤官九郎脚本、窪塚洋介主演の「GO」だと思っています。ではそのさらに前は?と聞かれれば、そんなに長く生きていないので知りません。

これらの作品がなぜそんなに扇風を巻き起こすか。それはとんでもなくド真ん中に時代を反映しているからだと思います。

物語は事件が起きることで動き出します。

この映画で起きる事件はただ一つ、

『学校一の人気者の、男子バレー部のキャプテン桐島が部活を辞めた。』

それだけです。

この事件により、学校という一つの社会に生きる生徒達の、人間関係と心境に大きな変化が生まれて行きます。その変化による葛藤を描きます。

よくこの映画を観て、学校は社会の縮図でありヒエラルキーがどうのこうのと声高に解説する人がいますが、そんなことは前からわかっていたことであり、あえて言わずもがなな事だろうと思うのですが、そんなことも言いたくなるくらいの細かい描写力があります。

集団の数だけヒエラルキーがあり、価値観もあると思うのですが、学生時代は自分が属している学校の中の集団こそが全てであり、そこにしか社会はなく、その中の価値観こそが全てでした。

大人になって就職して、会社に入ればその会社の持つ価値観の中で生きていくことになります。僕たちの親の世代は、その会社に就職したら一生その会社で生きていくことになるというのが普通でしたが、今はその方が珍しいです。

転職し、違う会社に就職すればまたその会社の価値観があります。もっと言えば就職しないという選択肢もありますし、大人になって世の中を見れば、これだけたくさんのものの見方やヒエラルキーや価値観があることを知るわけです。

現在は多様性の時代だと言われているそうです。そんなこと言っておきながら、世の中には偏ったものの見方や浅はかな考えがあふれていますが。

↑の予告にもある通り、この映画のラストは本当に映画史に残る、圧巻のグランドフィナーレです。

学校という一見なにも変わることのない社会の中で、ラスト、少しだけ変化が生じます。それぞれの鬱憤や気持ちの変化が噴出し、爆発します。

ものの見方の変化を、価値観の変化を、見事に見せてくれているのが、この映画が時代に受け入れられた理由なのではないでしょうか。うん。違うかも。

映画のラスト、観終わった時に何を思うのか。それは人それぞれだと思いますし、人によっては本当に何も感じないかもしれません。

この映画を観終わった時、自分が何を感じるのか、ぜひ、確かめてみてはいかがでしょうか。

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ラストシーンが忘れられないものだけではありませんが、よろしければご覧ください。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

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