THE YELLOW MONKEY「9999」は『イエモン復活してよかったと思わせる最高のアルバム』だった【アルバムレビュー】

THE YELLOW MONKEYが復活した。

SGとしては「ALRIGHT」で復活し、ツアーを行い、もう解散はないと誓ったが、個人的にはアルバムこそを楽しみにしていた。

新しく、変わらないTHE YELLOW MONKEYを見せて欲しかった。アルバムという一つの作品で。

 

正直全く心配していなかった。

洋楽含め、復活したはいいけどアルバム出してみたら「?…まぁ…いいんじゃないか…な」というバンドもいる。

しかしイエモンはその復活SG「ALRIGHT」から既に期待通りであり、その後発表される曲でも「コレコレ!」と思わせる曲ばかりだった。

だからこその待ちに待ったアルバムである。

しかもそのレコーディングはLAである。

あのイエモンがLAのからっからの乾いた大地で、どんな音楽を…ロックを鳴らしてきたのか。

 

もうはっきり言えば「100点」のアルバムだった。

期待通りの「100点」のアルバムを作ってくれたという意味で追加して「120点」をあげてしまいたいくらい。

たまらなく良い!その理由を蛇足ながら自分がただ楽しみたいだけの意味でここに書いて行きたいと思います。

このロックがJ-POPのド真ん中で鳴っているという感慨

ジャンルについては詳しくないのでなかなか言い難いのですが、このハードロックというかグラムロックというか、とにかくこんなにもロックンロールな曲が2019年のJ-POPで鳴っているんです。

ストリングスやらを入れたり。打ち込みを入れたり。おしゃれコードでシティポップっぽくしてみたり。今の音楽シーンを否定する気は全く無いです。もちろん。そういう曲も大好きなので。

ただ、こんなにも音数の少ないシンプルなアレンジでこんなにもかっこいい音楽が作れるんだぞと。

すごいだろ。俺たちのイエモンはと。

しかしそこにはやはりアレンジだけにとどまらない、吉井和哉さんのソングライターとしての才能があると思います。

吉井和哉さんの作る親しみやすいメロディと独特の歌詞

そもそも復活一発目のSG「ALRIGHT」。この曲大好きなんです。

イントロからギターで繰り返されるサビのメロディ。一度聴いたらもう繰り返し口ずさんでしまう。素晴らしい。

しかしこのメロディを含めイエモンの音楽を当時は「歌謡ロック」などと卑下され、吉井さん自身も洋楽ロックとの差異などに苦しんだようです。

しかし今当時の曲を聴いてもやはりそのメロディが素晴らしいと思いますし、当時の日本の音楽は洋楽崇拝や、売れていること、マジョリティであること=クオリティが低いという考えが聴く人の中にあったように感じます。

だからこその現在の歌謡曲見直しブームやシティポップブーム的なものがあると思いますし…。

まあそれはさておき、このメロディともう一つの魅力、「歌詞」の凄さです。

1曲目「この恋のかけら」の冒頭の歌詞が↓です。

錆びついたエンドロールが流れていく
またひとつ僕たちの映画が終わる
ザラついた灰色のロードムービーさ
助手席にはいつもの死神がいる

今の音楽シーン。あんまり言いたくないことですが、歌詞に面白みが足りないと思っています。

その原因はミュージシャンの力不足なのか、聴く人の想像力の欠如なのか、音楽の聴き方の変化なのか、はたまたその全てなのか。

もちろんあいみょんさんとか、素晴らしい方もたくさんいます。

しかし今思うと90年代、ミスチル、スピッツ、エレカシ、ウルフルズ、ジュディマリなどがいた頃と比べるとやはりどこか物足りなさを感じます。

そしてその頃、イエモンもいました。

イエモン最大のヒット曲「BURN」。

そのサビの歌詞↓が大好きなんです。

限りない喜びは遥か遠く
前に進むだけで精一杯
やわらかな思い出はあそこにしまって
BURN BURN BURN BURN BURN

サビの大事な部分で「あそこ」って言っちゃうんです。

文学的な歌詞が必ずしも正しいとは思いません。というか文学的な歌詞が何なのか、正直あんまりよくわかっていません。

ただ、一過性のものではなく、噛めば噛むほど味がするような、最初すぐには理解できなくても、だんだんと理解していくような。そんな歌詞が少ない今の音楽シーンでの「この恋のかけら」の歌詞です。

アルバムの冒頭があの歌詞で始まるんです。

どうだ!すごいんだぞ俺たちのイエモンは!と叫びたくなりました。

「最後のロックスター」

Talking Rockかなにか忘れてしまいましたが、吉井和哉さんソロの時のインタビューが掲載された号の表紙の煽り文句が「最後のロックスター」でした。

世界的にみてロックスターというものが誕生しなくなっています。それは日本でも変わらず、考えてみれば「ロックスター」的なスケールの大きなロックを鳴らす人はもう吉井和哉さん以外にいなく鳴ってしまったのでは無いかと思います。(もちろんいわゆる「ロックスター」というくくりを無くせばいます。Ken Yokoyamaさんとかとか。)

そのカリスマ性も一つの魅力です。

レビュー

全体的に音数の少ないアレンジです。

それはLAレコーディングが大きくあると思いますが、しかしやはりこれぞTHE YELLOW MONKEYというオーラがアルバム全体に満ちています。素晴らしい。

しかしそんな中でも当時と今の違いを述べるとしたら、やはりバンドで音楽を作れるということの喜びが溢れているということですかね。

うまく説明できませんが、陽の空気が満ちています。

バンドっていいですよね。

あとは吉井和哉さんの作る曲が吹っ切れているということ。

洋楽ロックとの差異で苦しんだと述べましたが、吉井さんのソロの時なんかはやはりそれが顕著で、洋楽的なメロディやアレンジをかなり意識して、イエモンの歌謡ロック的なメロディを封印して活動をしていたと感じます。

しかしソロとして最後のオリジナルアルバム「STARLIGHT」で、どうやらその封印を解いた(解けた?)。そしてイエモンの再結成です。

自身のルーツや色々なものを肯定した後に再結成されたイエモンで鳴らす音楽。

この再結成は「あの頃」に戻るためではなく、新しいTHE YELLOW MONKEYを見せるためにあると感じさせてくれます。

これから

今のところ「再結成」というマリオのスターを取った状態でずっと続いているので、おそらく…というか全く解散することはないと思いますが、この後のアルバムがどうなっていくのか、想像もつかず、そして楽しみなんですが。

個人的にはまたくらーい曲 も聴いてみたいですね。吉井さんのソロでいう「SWEET CANDY RAIN」↓のような。

しかし変わっていこうが変わっていきまいが、これからが楽しみでしょうがないです。

 

読んでいただきありがとうございました。

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