後味最悪。観るんじゃなかった、鬱映画6選【映画まとめ】

映画にはいろいろなものがありますが、見た後爽やかな気分になるものもあれば、気分が落ち込むものもあります。

世の中ではそういう映画を「鬱映画」というようです。左側だけ重そう。

今回はオススメ鬱映画をまとめましたので、よろしければご覧ください。

ちなみにスプラッター系映画はあまり観ないので選出されておりません。

『観終わった後思ったことは“人ごとじゃねぇ”』白石和彌監督作品「凶悪」

 

個人的にこの映画は『映画史に残る傑作』だと、思っています。

ある日届く死刑囚からの告白の手紙。「自分にはまだ誰にも話していない余罪が3件ある」と。そしてそれは「自分が先生と呼ぶ男の指示でやったことだ」と。その証言をもとに取材を進めていく主人公は恐ろしい事件の真相とそれによって明らかになる社会の闇と出会う。

原作は新潮社から発売されている同名の犯罪ドキュメント本です。ですから、実際にあった話なんですよね…。

ただ、実際にあった話を元にした映画って、なんだかんだで結構あると思うんです。しかもそれが衝撃的な事件の場合、それ自体がもう売りになるので、怖いもの観たさで観る人がなんだかんだいて、過激な映像も加わって一時的に話題になり消費されていくものも、まぁまぁあると思います。

でもこの映画は、そういった類のものとは全く異なります。俳優たちの素晴らしい演技はもちろんのこと、画面から感じる冷たさ、無機質さ。本当に実力を持った監督さんの作った作品なんだなということが、ひしひしと伝わってきます。そしてそれは時を経ても変わらないと思います。

原作は読んでいないのでわかりませんが、ルポなので、筆者の生活については描かれることはないのだろうと思います。しかし、これは映画ですので、事件を追う主人公の家庭の事情など、プライベートなことも描かれています。

そしてそれが最後、一つの決着を迎える時、僕の心に浮かんだ言葉は「人ごとじゃねぇ」でした。

誰もが巻き込まれる可能性が十分にあるんだということを、物語の世界から現実へと、影響させられたのです。

その後僕はしばらく立つことができずに、10分ほど放心状態だったのですが、それも含めて、詳しい感想は↓に書いております。お暇でしたら、ご覧ください。

『観終わってからしばらく立てませんでした。』-白石和彌監督作品「凶悪」【映画レビュー(ネタバレなし)】

『アウトレイジよりも全員悪人。』中島哲也監督作品「告白」

 

当時同じ時期に公開された北野武監督の映画「アウトレイジ」のキャッチコピーが「全員悪人」でした。でも、僕の友達の後輩がこの「告白」を観た後、感想をその友達に言った時に出てきた言葉が「アウトレイジよりも全員悪人っすわ。」だったそうです。

まさに。その通りな作品です。

物語は「生徒に娘を殺された」という女性教師の告白からはじまります。そして犯人への復讐へと物語は進み、事件に関わった人たちの、それぞれの視点から物語は進んでいきます。

原作は『イヤミス』の女王として一躍その名を世間に知らしめた湊かなえさんの同名ベストセラー小説です。

単純な物語ほど面白いとは本当にその通りで、あらすじと言っても↑くらいしかなく、その中で織り成されるそれぞれのキャラクターの思惑やらなんやらがまー面白い。

そして演出は「嫌われ松子の一生」や「下妻物語」の中島哲也監督です。

上記2作品のように原色が眩しいカラフルな絵は抑えて、暗いトーンの絵で作品全体を構成していますが、しかしこの監督の持つ変態性はやはり失われず、所々にぶっ飛んだ演出が観られ、観る人を飽きさせません。

それでいて原作の持つ、『イヤミス』とも言われる物語の暗さ、怖さとあいまって、どこか狂気すらも感じる作品です。

僕は映画を観る前に、興味本位で原作をパラパラ読み始めたら止まらなくなってしまい、原作読破後に映画を観たのですが、全然、というか超面白かったです。

後味悪い映画ってやはりありますが、しかし闇を観てしまう好奇心や、怖いもの見たさっていうのは、人間に元々備わっているもので、しょうがないですよね。観た後どうなるかは知りませんが。

『もう二度と観たくない。』デヴィッド・フィンチャー監督作品「セブン」

 

鬱映画といえばこの映画というくらい、強烈なバッドエンドで終わる作品であり、こちらも映画史に残る傑作だと思います。

舞台は雨が降り続くとある大都会。退職を間近に控えたベテラン刑事サマセットと若手刑事ミルズはある猟奇連続殺人事件の捜査にあたります。現場に残された痕跡から、犯人はキリスト教における7つの大罪に基づいて殺人を繰り返していることを突き止めます。そして捜査を行っていく中で少しずつ近づいていく戦慄のラスト。

もし映画を観て最悪な気分になりたくてこの記事を読んでいるのであれば、この作品を2回観ることをオススメします

結末を知った上で改めて観ると…もう、全シーンが悲しすぎます。

なんでこんな作品作ったかなーと思うのですが、80年代の反発なのか、90年代がそういう時代だったのか。ただ監督が悪趣味なだけか。

しかし悪趣味と言っておきながら、間違いない作品を生み出し続けていることは確かであり、僕はこのデビッド・フィンチャー監督作品が大好きなんです。困ったことに。

他にもイヤな気分になる映画はたくさんあり、↓にまとめておりますので、よろしければご覧ください。

なんでそんな暗い映画ばっか撮るの?鬼才デビッド・フィンチャー監督オススメ作品【映画まとめ】

『観終わった後思ったことは“ごめんなさい”』クリント・イーストウッド監督作品「ミスティック・リバー」

 

今でこそクリント・イーストウッド監督作品と聞けば「間違いなく面白いから観よう。」という思考になるのですが、昔は「絶対悲しいエンディングになるから観たくないわー」と思っていました。

と言っても監督の作品を掘り進めて観たわけではないのですが、最初に出会った作品がこの「ミスティック・リバー」だったからというのもあるかもしれません。

ジミー、デイブ、ショーンの3人の少年たちが路上で遊んでいると、警官が現れデイブだけを連れ去っていく。しかしその警官は本当は誘拐犯で、デイブは監禁され、陵辱されてしまいます。それから25年後、ひとつの惨殺な事件が幼馴染み3人を結びつけます。ショーンは刑事として。ジミーは被害者の父として。そしてデイブは容疑者として。別々の道を歩んできた3人はそれぞれに傷を抱え、そして悲劇は再び悲劇を呼んでしまうのか。

クリント・イーストウッド監督作品は「巨匠」という言葉が似合うほどに、細部まで神経の行き届いた濃密で、無駄のなく、スクリーンで映し出す世界の外にもその世界が広がっていることを感じさせる、本当に間違いない映画だと思っています。

ですが、そんな技量でこんな悲劇的なお話を映画にしてしまったら、もうそりゃたまりませんよ。

こっちは観ているうちにスクリーンの向こうの世界に入ってしまっているわけですから、物語の中で織り成される悲劇にいつの間にか加担してしまって気になるわけですよ。ですから観終わった時、自分は悲劇の加害者になってしまっているわけです。これは辛い。

もう本当に「ごめんなさい」ってなりました。

「ごめんなさい」って思いたい人にオススメです。

『人生の悲壮。』クリント・イーストウッド監督作品「ミリオンダラー・ベイビー」

 

先に言っておきますが、僕はこの作品の表現していることを否定するつもりはありませんし、肯定もするつもりもありません。僕自身漫画家になりたくて、後先など考えずに、野垂れ死していい覚悟でその時を生きていましたから、この映画で表現したいことは共感できます。ただ、それはやはり悲しいことでもありますから、生半可な気持ちで肯定や否定などをしていいものかとも思います。

しかし、この時74才だった監督がこの作品を撮ったことの意味もまた、考えなくてはいけないとも思います。

主人公はロサンゼルスで古いボクシングジムを営む、いわゆる不器用で昔気質なフランキーという名前の老人です。その不器用さゆえのコミュニケーション不足もあいまって、彼は優秀なトレーナーでありながら、育ててきたボクサーたちに逃げられ続け、唯一の金のたまごでもある選手にも、タイトルマッチに挑戦寸前でよそのジムに移籍され意気消沈していました。そこに現れたマーガレット(マギー)。彼女はプロボクサーとして成功するために、フランキーにトレーナーになって欲しいと頼み込みます。家族の愛に恵まれないマギーと、不器用で、家族に愛を伝えられないフランキーの交流を描き、そして物語は思いも寄らない方向へと、進んでいきます。

↑のようなあらすじではこの物語の核は1ミリも伝えられていないと思います。ロッキーのような成功物語に終わらないところに、この物語をクリント・イーストウッドが撮ったことの意味があります。

「生きる」ということの本当の意味を考えたときに、本当の答えを出せる人は、多分今生きている人の中にはいないと思います。なぜなら誰も生き切っていないからです。

74年という日々を生きたクリント・イーストウッド監督の生きることへの問いとがこの映画の中にあるんだと思います。

もう一度言いますが、僕はこの映画を肯定も否定もしません。ただ一つ言えることは、悲しいということだけです。

『なにもそんな終わらせ方しなくても…。』スティーヴン・キング原作「ミスト」

 

この映画も鬱映画といえばで間違いなく上がってくる映画の一つです。

ある日、息子のビリーと共にスーパーマーケットへ買い出しに出掛けた主人公のデヴィッド。何気なく買い物をしていると、急に外から濃い霧がやってきて、すぐに店を覆いました。その霧はどうやら街全体、はたまたその向こう、どこまでも続いており、やがて恐怖が店の人々を覆っていきます。

パニック映画というものを僕はあまり観ないのですが、この映画は公開当時かなり話題になり、気になって観た記憶があります。公開からかなりの年月がたった今でも、割とこの映画がTwitterなどで話題に上がって来やすいことを考えると、やはり時代を超えて人々の心に残る作品なのだなと思います。

原作がスティーヴン・キングさんということもあり、この映画はやはり、そこらにある並大抵のパニック映画とは一線を画すテーマと描写力を持っていると思います。

この映画で描いているのは、霧の外の未知の恐怖ではなく、霧の内側、未知の恐怖に直面した時の、人間の集団心理の怖さです。

物語が進んで行くうちに、スーパーマーケットの中は言ってみれば、世界の縮図のように見えてきて、人々の変貌っぷりに恐怖を覚えました。

僕はこの記事を書いているときに知ったのですが、監督・脚本が「ショーシャンクの空に」や「グリーンマイル」のフランク・ダラボンさんなんですね。フランク・ダラボン × スティーヴン・キングのコンビだったんですね。

やはりそれなりに重厚な人間ドラマの作品を撮る監督だけあり、画面から伝わる説得力や心理描写、また恐怖の作り方などは素晴らしいものがありました。

ただ、この映画、僕は嫌いなんです。この記事にも本当は載せたくないくらい。

その理由はやはりラストです。なにもそんなラストにしなくてもいいじゃないと、思ってしまうんです。

なんとも、なんとも嫌な気分になる終わらせ方です。

ただ、やはりあのラストでなかったら、こんなにも長く話題に上がるような作品にはなっていなかったと思いますし、そして同時に、ラストだけでなく、作品全体に張り巡らされた監督の神経による、説得力と濃密さがあったからこそ、そのラストが引き立っていたんだなと思いました。

こちらもオススメ。

嫌な気分になることがエンターテイメントであるなら、騙されることのもまた、一つのエンターテイメントです。

↓でどんでん返し映画をまとめていますので、よろしければご覧ください。

思ってたんと違う!!!!どんでん返し映画5選【映画まとめ】

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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